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エッセイ

より多くの人に読まれたくてタイトルを変えたら、自分が書きたかったものを見失った話

Eiichiro Iriguchi  ·  2026.04.06  ·  2分

先日、こんな記事を書いた。

https://zenn.dev/a_1ro/articles/4b0333e9d7b8f9

はてブで若干炎上気味になった。批判コメントをいくつか受けて、最初は「追記で潰せばいいか」と考えていた。

でも少し冷静になって気づいたことがある。問題は記事の内容じゃなくて、タイトルだったということ。そしてそのタイトルをつけた時点で、自分が本来書きたかったものを見失っていた。

タイトルが先に戦闘態勢を作った

「AIが書いたコードをレビューするな」というタイトルは、読む前から人を構えさせる。

記事の中身はそんな過激な主張じゃない。「実装前にAIに仮定リストを出させたら、認識のズレが減った」という個人の試行錯誤の記録だ。タイトルと本文のトーンが最初からズレていた。

批判コメントを読み直すと、ほとんどはタイトルから想像した「コードレビュー不要論」への反応だった。本文を読めば解消される誤解を、タイトルが自ら作り出していた。

自分が何を書きたかったのか

なぜあのタイトルにしたか。「より多くの人に読んでほしい」と思ったからだ。

挑発的なタイトルの方が目に留まる。せっかく書いたなら届けたい。その気持ち自体は悪くなかった。

しかしそれは、届け方の手段を間違えた選択だった。より多くの人に読まれるために、内容より先に読者を構えさせるタイトルをつけてしまった。

自分が本来書きたかったのは、個人開発で試して「あ、これ効くかも」と感じたプロセスの記録だ。定量データもない、業務での検証もしていない、体感ベースの話。それをそのまま書けばよかった。

「届け方の軸」と「体験の軸」は最初から違う

より広く届けることを意識しながら体験を書こうとした結果、どちらにも中途半端になった。

「自分の体験を書く」を軸にするなら、対象読者は同じ悩みを持つエンジニア個人だ。その人たちに届けばいい。全員に読まれる必要はない。

次はタイトルを内容のまま書く

反省として、次に同じ種類の記事を書くなら、タイトルは内容の温度感のままにする。

「実装前にAIに仮定リストを出させたら認識のズレが減った話」

これくらいの地味さが、中身と合っている。

より多くの人に届けたいなら、タイトルだけ変えるのではなく、中身ごとその方向に振り切る必要がある。どちらかに揃える。タイトルと中身のトーンがズレている状態が一番よくない。


炎上が教えてくれたのは、誰に向けて書くかを決めてから書け、ということだった。自分の記事の軸は「体験を共有すること」だと再確認した一日だった。